【CMD2022 学生レポート】コンテンツは 「ネタの仕入れ」が9割 ~ インタビューから考える顧客体験価値の高め方 ~

インタビューという行為を見つめなおす

皆さんこんにちは。昨年の12月に開催されたオンラインイベント「CONTENT MARKETING DAY 2022」でお手伝いをさせて頂いた、大学4年生の山本です。本記事では、本條秀樹さんの「コンテンツは 『ネタの仕入れ』が9割 ~ インタビューから考える顧客体験価値の高め方 ~」というセッションを振り返っていきます。コンテンツ制作歴19年の本條さんが、インタビューをテーマにそのノウハウを分かりやすく解説する、とても見ごたえのあるセッションです。

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【CMD2022本編】コンテンツは 「ネタの仕入れ」が9割 ~ インタビューから考える顧客体験価値の高め方 ~【本條 秀樹氏】

私とインタビュー

本條さんのセッションが特に印象に残った背景には、私が元々インタビューに魅力を感じていたということがあります。というのも、私が人生の指針にしている言葉は、あるインタビューの記事で出会った言葉なんです。

それが、宝島社のファッション誌『mini』2021年8月号に掲載された、宮脇咲良さんのインタビュー。宮脇咲良さんは、元々HKT48のメンバーとしてアイドル活動を開始。2018年には、オーディション合格をきっかけに日韓合同の期間限定アイドルグループIZ*ONEとしてデビュー。現在は韓国ガールズグループLE SSERAFIMとして活動中です。その国境を越えた人気の高さから、昨年には紅白出場を果たしました。

インタビューが行われた2021年は、彼女がHKT48の卒業を発表し、K -POP一筋でアイドルの道に進むことを決意したタイミング。彼女の新たなステップに合わせて、これまでのアイドル人生を振り返る大特集でした。私の心に響いたのは、その中にあった「デビュー当時と今で、一番変わったことはありますか?」という質問に対する彼女の答え。「自分に自信を持っていいと気づけたことですね。自分のことを認めていいんだな、それで成長が止まるわけじゃないから、と気づけた」という咲良ちゃんの言葉は、自信を持つことを恐れていた私の考え方を変えてくれました。この言葉に出会ってから、私は以前よりも素直に、自分の人生を好きになることができたのです。

以来、インタビューというものに私は強く惹かれました。自分も、インタビューをする側にいつか立ってみたいと思うようにもなりました。そこで今回は、本條さんのセッションを通して、改めてインタビューとはどのような行為なのかを考えてみます。

共同作業でありながら、一方的なインタビュー

誰かの言葉に触れる手段を考えてみると、様々な媒体が挙げられます(エッセイやブログなど)。それらとインタビューとの違いは、やはり聴き手の存在です。インタビューは、話し手と聴き手両方の存在があって初めて成り立ちます。 もっと言えば、話し手と聴き手がそれぞれ存在するだけではダメで、双方が協力をする必要があります。本條さんも、インタビューは「話し手と聴き手の共同作業」だという意識を持つことが大切だと述べています。

本條さんは普段から、一緒にパズルを組み立てる意識でインタビューを行っていると言います。話し手と聴き手の間で共同関係をつくることが、質の良いインタビューをするためには重要なようです。

しかし、ここである疑問が私の中に浮かびました。今さらっと言及した「話し手と聴き手の間で共同関係をつくる」ことは、とても難しくてレベルの高いことなのではないでしょうか?というのも、インタビューには「一方的」な側面もあると私は感じます。聴き手と話し手の関係を見た時、聴き手は自分のことをほとんど開示せず、話し手だけがどんどん暴かれていきます。そのうえ、聴き手と話し手はインタビューの現場で初対面の場合も多いです。 話し手は、ついさっき出会った人に自身の考え方や過去をさらけ出すことに、抵抗を感じる時もあるのではないでしょうか。インタビューは、共同作業が必要とされながら、その中身自体はとても一方的であるように思えます。

私がインタビューをする側に立ちたい理由

そう考えると、インタビューをするという行為はとても難しそうです。「自分のことを話さずに相手をどんどん丸裸にする」行為を、失礼のないように、むしろ相手が気持ちよく話せるように、遂行する。もちろん読んで下さっている方の中には、「どこが難しいの…?」と首をかしげる方もいるかもしれません。しかし私のような、初対面の方に自分について深く話すことが苦手で、同様に突っ込んだ質問をすることにも抵抗があるタイプからすると、インタビューはとてもレベルの高い行為です。信頼関係は時間をかけてじっくりと築きあげるものだと思っているので、短時間でそれを実現することに難しさを感じます。

ただ、だからこそインタビューに挑戦してみたい。なぜなら、上に挙げたような壁を乗り越えた先で、ひとりの人間として大きく成長できそうだからです。良いインタビュアーとは、「どんな人にとっても安心して話せる存在」。それは、日常生活においても、周囲の人に信頼され頼られる存在になることに繋がるのではないでしょうか。そうなれば、誰かの話を聴いたり、相談に乗ったりできるようになります。周りの人たちを支えられる人間に、レベルアップできます。そうしてたくさんの話を聴く分、視野が広がり自分も成長できます。

このように、相手にも自分にもプラスの影響を与えられる。そんな力をつけるために、私はインタビューの技術を磨きたいです。

日常的に実践できるインタビュー練習

では、インタビューの技術は具体的にどう上げられるのか?ここからは、私がセッションを通じて思いついた、インタビューの練習方法を2つ紹介します。

①インタビュー記事を読む際、質問にも着目してみる

普段インタビューの記事を読む際、当たり前ですが回答の方に着目しますよね。しかし、質問にも目を向けてみることで、インタビュアーとしてのスキルのヒントが見つかるのでは…と思いました。どのような質問の流れでインタビューを進めているか、どのように話し手との距離を縮めているか、などに着目すると何か秘訣が見つかりそうです。

「こういう工夫でエッセンスワードを引き出しているんだな」「こういうところを事前にリサーチしたんだな」「ここはもう少し丁寧に聴き正してほしいな」などなど、聴き手目線の感想を持ってみることが有効だと思います。「エッセンスワード」「聴き正す」などのキーワードについては、セッションで細かく解説をしてくれているので、チェックしてみてください。

②身近な人をインタビューするとしたら、どんな「聴き方」が良いかを考えてみる

話し手を気持ちよく話させるための方法は、これだ!というものがひとつあるわけではありません。なぜなら、話し手のタイプごとにその方法も変わってくるからです。セッションで本條さんは、話し手のタイプと、それぞれに合った聴き方をまとめてくれています。

ここでは話し手のタイプを職業で分けていますが、性格で分けてみることもできそうです(寡黙な人、熱量が高い人、ふざけるのが好きな人…etc.)。普段自分が接する人の性格を見て、どんな聴き方が合っているか?を考えてみることで、幅広いタイプの人の話を引き出す練習ができます。

例えば、私の大学の友人で、口数は少ないけれど普段から物事をよく考えている子がいます。その子にインタビューをするとしたら、その考えの背景を探るために「聴き砕く」ことを意識します。ただ質問攻めにしても鬱陶しがられてしまいそうなので、重要だと思ったポイントを絞って深掘りしていきます。逆に、私のサークルの友人で、放っておけば永遠に話している子がいます。その子に対しては、話が脱線しすぎないように「聴き戻す」ことを意識します。ただこちらが話し過ぎるとテンションが下がってしまいそうなので、基本は好きなように話してもらいます。

このようにインタビューのシミュレーションをしてみると、様々なタイプの人に心を許される存在に近づけるのではないか、と感じました。

最後に

今回、自分の考えを整理したことで、これまでぼんやりと惹かれていたインタビューの魅力に気がつくことができました。インタビューに少し興味があるな…と思っている方は、なぜ興味を持っているのかをぜひ自分の中で考えてみてください。もしかしたら、自分が憧れる生き方や目標が見つかるかもしれません。今回振り返った本條さんのセッションは、それを探るヒントにもなります!ぜひ視聴してみてくださいね。

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【CMD2022本編】コンテンツは 「ネタの仕入れ」が9割 ~ インタビューから考える顧客体験価値の高め方 ~【本條 秀樹氏】

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以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。

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