【速報】content marketing world2012 セッション初日レポート

エバンジェリストJoe Pulizzi氏のプレゼンテーションで幕をあけたcontent marketing 2012

当人ならびにCMIのテーマカラーであるオレンジを過激に強調した衣装で登場するJoe Pulizzi氏

Joe Pulizzi氏の登場に先立ち地元、オハイオ州立大学のマーチングバンドの生演奏が会場を盛り上げた。

20カ国、1,000人以上が集まったcontent marketing world2012。オープニングでは、このイベントを主催するCMI(CONTENT MARKETING INSTITUTE)の創設者で、コンテンツマーケティングのバイブル、“Get Content, Get Customers“” Managing Content Marketing”の著者としても知られるJoe Pulizzi氏からのキックオフプレゼンテーションでスタートしました。

コンテンツマーケティングが普及してきている現状を様々なデータを示しながら、詳しく説明するJoe Pulizzi氏。このなかでとくに印象的だったのが「クライアントの関心事項が,昨年に比べ変化している」という指摘でした。
その指摘とは「用意するコンテンツで、いかに顧客とエンゲージするか」というものから「いかに継続してコンテンツを配信し続けられるか」へと変化してきている点。クライアントもコンテンツマーケティングを活用し始めていることから、関心領域も概念的なものからからより実践的ものへシフトしつつあるといえるかもしれません。

いま、まさに生じている顧客を取り巻く環境の変化を痛感したキーノートプレゼンテーション

事前に知らされていたアジェンダとは大幅に違う内容ながらも貴重な情報を語ってくれたMitch Joe氏

セッション初日のメインのキーノートはTwist Image社のCEO、Mitch Joe氏による発表。今後コンテンツを考える上で重要視すべき5つのポイントについて発表されました。その内容のエッセンスをご紹介します。

  1. 真のダイレクトリレーションシップとは何か
    ユーザーとのダイレクトリレーションシップが可能になりつつある。このことは「直接ユーザーに伝えられるようになった」と単純に喜んでもいられない。なぜなら競合企業に加え、たとえばユーザーの友人も情報ソースとしての競合になりうることを意味しているからだ。このような状況のなかでユーザーにとって必要とされるコンテンツが何かということを考える必要がある。
  2. ビッグデータの扱い方
    ビックデータは、扱い方によってはプライバシーの侵害と思われることもあれば、パーソナライズされた便利なものと思われることもある。
  3. 使いやすさ
    エンゲージメントを構築していくにあたっては、「実用性」という視点は外せない。たとえばAmazonはプライバシー侵害と思われるほどたくさんの個人情報を持っているが、それ以上に便利であるからこそユーザーに支持されているのだ。
  4. アクティブか、パッシブか
    行動を起こさせるためには、人をつぶさに観察し、アクティブかパッシブか見極める必要がある。人がパッシブな状態の時にアクティブなユーザー向けの情報をもたらしてもそれはふさわしくない。ユーザーがの状態を捉えて、行動を促す必要がある。
  5. ワンスクリーン
    機器が多機能化することで、機器と機器の間に境界がなくなる。すると物理的にスクリーンを数えることに意味がなくなってくる。なぜならユーザーがいま接しているワンスクリーンが全てになるからだ。

この5つのポイントはどれも納得性の高い内容であった。これからのコンテンツ開発において、常に気に留めておかなくてはならない視点であるといえるだろう。

新しい時代が到来すると既存のフレームワークを見直し、時にこれまで自明だった定義の再定義が要求されることもある。大げさかもしれないが、よりターゲットユーザーに寄り添った思考が要求されるようになっているという点で、今ここで生じているパラダイムシフトを肌で感じることができたキーノートであった

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