実例!企業が絶対に犯してはいけないソーシャルメディアへの投稿5つのタブーとは?

FacebookやTwitterをはじめとするソーシャルメディアは、いいね!やシェア、リツイートなど、ユーザーのアクションによる情報の拡散が狙えることから、企業がマーケティングを行う重要なプラットフォームの一つとして重宝されてきた。

しかし、拡散されるのはなにもポジティブな情報に限ったことではない。著名人のスキャンダルや企業による不祥事、一般人による心無い書き込みが“晒され”、瞬く間にウェブ上での評判を落としてしまう事件は日常茶飯事だ。

CONTENT MARKETING INSTITUTEのBARRY COOKE氏が、ブログ で、2012年に行われた企業によるソーシャルメディアへの不用意な投稿をまとめてくれている。明日は我が身。自社のアカウントで不用意な書き込みをしないために、その注意点を確認しよう。

タブー その1:自然災害や悲劇的な事件をプロモーションのネタに利用すること。

「Urban Outfitter」によるハリケーン・サンディをネタにした投稿

ニューヨークのファッションブランド「Urban Outfitter」は、ハリケーン・サンディの襲来に乗じて「ハリケーンは去ったけれど、送料無料は続く!」というツイートを投稿。被害の状況を顧みない発言に非難が集中した。台風や地震、凶悪犯罪など、それで困ったり悲しむひとがいる災害や事件を、ジョークのような軽いノリで製品やサービスの売り込みに使う行為は、言わずもがなその社会的イメージを失墜させることになる。真摯にお悔みの気持ちを表したり、資金を投じて復興や支援に役立つ活動を始めることが、最善の策だ。

タブー その2:顧客の興味関心を惹きつけるためだけの空虚な情報をFacebookに投稿すること。

投稿の指示にそって”Club”と投稿したからといって大したことは起こらない。

一枚の写真とともに投稿された、とある企業の奇妙な書き込みがある。肝心の内容はというと、「それを10秒見てからコメント欄に特定の文字を打ち込み、その後どうなるか試してほしい」という内容だけ。明らかにリアクションの数を増やそうとしているだけに過ぎず、好印象とはほど遠い。このように、自社のFacebookページへのユーザーの興味関心を惹きつけ、いいね!やシェアを増やすことだけを目的にした投稿は無意味であり、読者がFacebookページの購読を中止することを助長しかねない。そうではなく、ユーザーにとって役立つ情報、独自性のあるコンテンツを発信していくことのほうが大切だ。

タブー その3:ソーシャルメディアアカウントの管理をインターンにまかせっきりにすること。

インターンによる“うっかりミス”の後の謝罪ツイート

イギリスの英国議員のTom Watsonのケースでは、本人に代わりアカウントを管理していたインターンがうっかり投稿してしまった不用意なつぶやきが一気に拡散。即座に謝罪の投稿をするも、時すでに遅し。事態は大事に、という事態が発生した。ソーシャルメディアでの情報発信は、“たかがFacebook”“たかがTwitter”と捉えられ、安く済ませようと考えられがちだが、その企業や発信したいメッセージ、ターゲット読者の動向を熟知し、微妙なニュアンスを理解した上で行わなければ取り返しのつかない事態にもなりうる。ビジネスシーンでソーシャルメディア活用やモニタリング経験のある人材を登用した社内組織へと改め、投稿する内容については新聞や雑誌のようにトーン&マナーをしっかりと管理することが大切だ。

タブー その4:運営を数日間続けて休むこと。

休日中に放置していたユーザーからの苦情コメントに対する賛同の声が、多数

Odeon Cinemaというイギリスの映画館運営会社は、金曜夜に投稿された「チケットが高すぎる」というユーザーのネガティブなコメントを、休日の間放置。「同じ金額があれば、アマゾンで12枚もDVDが買えてしまうほど高い」という皮肉に、週末の間に数万もの賛同コメントが集まってしまったのだ。ターゲットユーザーはソーシャルメディアから決まった休暇期間をとることはない。ソーシャルネットワーク上でのユーザーのネガティブなコメントは時間をおけば置くほど多くの人たちへと拡散してしまう。そういった状態に陥りたくなければ、終業後にも週末中にも祝日の間にも企業アカウントをオンタイムでチェックし、読者のコメントに即座に返信するスタッフを確保しておくことが非常に効果的だ。

タブー その5:批判に対して反論することを恐れること。

顧客によるネガティブな口撃に対しては、非常に繊細な対応が必要とされるし、それを乗り越えることは簡単なことではない。しかし、イギリスの生理用品ブランドであるBodyform社は、そのような状況下で非常にウィットに富んだ、皮肉たっぷりの動画で反論した。

とある男性からのいたずらな“口撃”

同社はある男性から、「自分の彼女は、CMと違って生理中にさほど楽しそうではないし、何よりCMで表現されているような“青い液体”ではなかった」とコメント。それに対してBodyform社は動画にCEOを登場させ、「おっしゃる通り、幸せな生理などない」とCM内容について謝罪。さらになぜ“青い水”をイメージとして使用しているのかを真摯に説明した(現実に近いイメージで表現したところ、視聴者の印象はすこぶる悪かったそうだ)。そして最後に例の“青い水”を飲み、なんとオナラをして終わるというものだった。

Bodyform社がYouTubeに投稿した動画『Bodyform Responds :: The Truth』

当初は男性に対する共感のコメントが集まっていたものの、動画のレスポンスを観た顧客から企業側へ大きな賞賛が寄せられ、結果的には売上の向上につながったのだ。ウィットを持たせること、創意工夫を盛り込むこと、顧客とのコミュニケーションを楽しむこと。その3点が顧客対応のキーポイントだと言える。

BARRY COOKE氏による5つのアドバイス、いかがだっただろうか?ソーシャルメディアでの顧客からの批判的なコメント、そしてそれらが拡散してしまうことは、コンテンツマーケティングの担当者としては避けたいところ。ウェブ上であっても、人々が持つべき礼儀と常識のレベルは現実社会と同じであるということを忘れずに、顧客とのコミュニケーションを楽しみたい。

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