【インタビュー】Robert Rose氏に聞く(1)「コンテンツマーケティングとは」

ロバート・ローズ氏が定義する“コンテンツマーケティング”とは?

まず最初の質問です。“コンテンツマーケティング”を一言で表すと?

私が考える“コンテンツマーケティング”とは、コンテンツを自ら発信することで見込み客候補を集客するマーケティング手法です。企業規模の大小、コンテンツを発信するメディアや媒体の種類は問いません。

これまでマーケティング担当者は、メディアを「借りた」広告戦略に注力してきました。つまり、何らかの広告枠を買うことでそのメディアのオーディエンスに語りかけてきたのです。しかし、今や我々はソーシャルメディアや自社サイト、ブログなどを通じて自ら簡単にコンテンツを発信できるようになりました。そして、人々を引きつける魅力ある読み物や、価値ある情報を提供することで、独自のオーディエンスを持ち、見込み客候補(=リード)を増やすことで商品購買に導くことが可能になったのです。このように、コンテンツマーケティングの手法を使えば、見込み客候補獲得をメディアの広告枠を借りずに行うことができるのです。

今なぜ“コンテンツマーケティング”なのか?

“コンテンツマーケティング”という名前すらないものの、同様のマーケティングは古くから行われてきたと著書にありましたね。ではなぜ今、改めてコンテンツマーケティングが注目されるようになったのでしょうか?

先ほども述べたように今日、我々は独自のコンテンツを簡単に発信できるようになりました。しかしこれが両刃の剣でもあるのです。結果的に世の中に情報があふれかえるようになったため、人々は検索エンジンなどを使って自発的に情報収集を行うようになりました。そのため、様々なノイズが混在する検索結果の中から、いかに「選ばれる情報」になるか、またそれ以前に、どのようにすれば情報に注目してもらえるかが大変重要な要素になってきたのです。このような状況下においては、従来からある一方的な割り込み型マス広告では顧客の関心を引き付けられません。ユーザからの注目を集め、エンゲージメントをはかるためには、本質的にユーザに響くコンテンツを作ることが必要だと、皆が認識しはじめたのです。

ただ、ご指摘いただいたように、コンテンツマーケティングの概念自体は新しいものではありません。農機具メーカーの『John Deere』社は100年以上前から農業誌「The Furrow」を発行し、いわゆるコンテンツマーケティングを行ってきました。このような顧客向けの企業誌や、企業がスポンサーとなったテレビ番組もすべて“コンテンツマーケティング”の一貫です。

ですが、デジタルメディア、携帯電話、SNS、インターネットテレビなど人々が接するメディアのチャネルが増加したことで、人々の考え方、情報検索の仕方に変化が表れてきました。そこで、より効果を発揮する“コンテンツマーケティング”がマーケティング戦略の中で重要視されるようになってきたのでしょう。

そもそも“コンテンツ”とは何を指すのか

では、“コンテンツ”という言葉をどう定義されますか?テレビ、SNS、ウェブサイト上で発信される内容、という人もいれば、発信されているメッセージそのものであり見込み客に関係あるすべての情報を指す、という考え方もあります。

⇒次回は、コンテンツマーケティングの有用性をクライアントに説くためのポイントなどを聞きました。豊富な経験談に基づいたロバートの説得力あるアドバイスは、有益なものばかり。さて、ロバートならクライアントをどう説得するのでしょうか。

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以下はアメリカでコンテンツマーケティングが盛り上がり始めた2012年に行ったインタビューの記事です。コンテンツマーケティング初期の記事なのでこれからコンテンツマーケティングについて勉強したい方に分かりやすい内容になっています。

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